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​ヒグチゼミについて

ゼミ紹介として、想像上のQ&Aを作ってみました。これをみて「こういうことをもっと聞きたい」ということがあれば、相談日やオープンゼミがありますので、いらしてください。

みなさんからのQ&A

メールなどでいただいた、ゼミに関する問い合わせに答えていくページです。個別でも回答していますが、参考までに公開します。随時更新します。

教員執筆記事

ゼミ応募の際に、私自身がどのような研究をしてきたか、どういうことに興味をもっているかについて知りたい方は、リンク先の2つの記事を読んでみてください。

Seminar: 最新情報

2年専門ゼミナール募集

​  2024年度の募集にあたって、随時更新します(最終更新:5/3)

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ヒグチゼミについて

想像上のQ&Aです。

Seminar: よくある質問

どんなゼミですか?

組織論を主な領域として、方法としてはインタビューやフィールドワークなどの質的調査を軸に学ぶゼミです。組織論は学部生が学ぶには不思議な領域かもしれません。企業のような組織で働いたことがない人が「組織とはなにか」について学ぶので、多少の机上の空論感は免れないものだからです。部活動やアルバイト、大学での学生といった役割も、もちろん組織の一員としてみなさんは既に少なからず体験していると思います。ですが、やはり部長や監督、店長、マネージャーのように組織を運営しなければならない身にならないと、「組織をどう動かすのか」はいったい問題が何なのかは見えにくいと思うからです(そういう意味で、ボランティア活動や部活でそういう立場になったことがある人には身に沁みる学問かもしれません。人は「こうしてほしい」と他の人に頼んでも、そう簡単には動いてくれないもので、それがうまくいくにはどうしたらいいのか、という問題を組織論では扱っているからです)。でも、会社で働くようになって数年すると、「組織論の教科書で何を言っていたのかようやくわかった」「すごく役に立つ」という声が聞こえてくるようになるのも、また真実です。

多くの人と一緒に自分に合った場所で、いきいきと楽しく働いて、そして成果を出したいと思うのは古今東西どこの組織でも願われることのひとつかなと思います(みなさんの、ゼミ選びも多かれ少なかれそうしたものでしょう)。それと同時に、それには唯一の正答はないというのもまた事実です。様々に起こりうる問題に対して、どのように光を当てて考えていけばいいのか、組織論はその一助になると私は思っています。

また、卒業論文を書くにあたっては「学生自らが自分でテーマを設定して、それを探究していく」のを支援するゼミです。そしてなによりも、自分の関心や問題意識をどのように深めていけば、問うに値するものに変換していけるのか……言い換えれば、自己の気づきや違和感から出発しつつも、それをどのように他者に受け入れうる形式に変えることができるか、を考えていきます。

そうした道筋は、今後みなさんが企業に就職するにしろ、研究を続けるにしろ、NPOや地方自治体など非営利部門に行くにしろ必要になってくる力です。そして、なによりも世の中の多勢に流されすぎずに、自分(たち)がありたい在り方を、他者と議論しながら模索していく源になると思っています。

最終的には、ゼミは学生と一緒につくるもので、教員も「ゼミナール」に対してはただのメンバーのひとりだと思っています。なので正直なところ、2020年度からはじまったゼミは、今後どのようなゼミに成長していくか、私自身も分かりません。ただ教員のもつ性質・興味によって、「どのような学生が集まるか」は変わってくるとは思いますので、このページでどんな人かが分かるように、いくつか書いていきたいと思います。

ゼミナールってそもそもなんですか?

大学におけるゼミナールという語の語源はラテン語のseminarium(苗床)から来ているそうです。日本語ではゼミナールは「演習」などと訳されたりしますが、「苗床(なえどこ)」という言葉はいいなぁ、と思いました。私自身はゼミナールという場が、学生ひとりひとりが持っている疑問や知りたいと思うことを持ち寄って、のびのびと追究していく場であったらいいなと思っています。その意味で、ゼミナールは学生のそれぞれが持っている好奇心の芽を育てる苗床にしていきたいです。

実際には、それぞれが調べたことをゼミナールで共有し、疑問や研究の問い(研究は「なにを問うべきか」自体を探していくのにほとんどの時間を使います)を議論をして、深めていくことになると思います。また深く考えるために古典を読むことと、自分の考えを言葉にするということのふたつを大事にしたいと思っています。


2年生は『情報生産者になる』(上野千鶴子)、『対話型ファシリテーションの手ほどき』(中田富一)を読みました。3年生では『経営組織論』(高尾義明)、『社会調査の考え方』(佐藤郁哉)を読みつつ、各自で興味のある論文を毎週1本探して発表してもらう予定です。

それと同時に、ゼミナールは最終的に4年生で卒論を書くために様々な能力や知識を身につけて、準備をしていく場だと私は思っています。他の講義などで知った知識も含めて、今度はそれを自分たちで使えるようにする場でもあります。そのために、本や資料や論文をたくさん読み、毎回考え、自分なりの視点を文章にして書いていくような試みをしています。

もしかしたら専門的な訓練には見えないかもしれませんが、著名なデザイナーでも「横線をいかに均等な間隔で複数引けるのか」という非常に地味な訓練を日々行っています。それと同じように、論理的に考える、それを日本語で正確に書く、書かれたものを正確に読み、新しい文脈を見つけるといったことは訓練しないと身につきません。私のゼミはテーマはそれぞれに自由な分、みんなで一緒にそうした地味で、かつ重要な練習をやる場でもあると思っています。

ゼミの一員としての教員がいるとして、その人はどんな人でしょうか?

商学部の他の先生方と比べたときの最も大きな違いは、私自身が経営学や商学ではなく、社会学部出身だということだと思います。そのため、私自身の問いの立て方や考え方は、「どうやったら売上が上がるか」「他社より競争優位に立つためにはどうするか」といった経営学で問われやすいものとは違うところに軸足があります。たとえば、「なぜ会社ごとにジャーゴン(その組織にしか通じない内部用語)や口癖があるのだろうか。それはどういう風に人びとが一緒に働くのを助けたり、阻害したりするのだろうか」といった人と人との間、あるいはモノと人との間のコミュニケーションにまつわる問題に興味をもつことが多いです。

コロナ禍であったオンライン授業の状況下ではたとえば、「Webexでの授業では、教員と学生のコミュニケーションはどういう風に変わるのか。会話の順番どりの仕方に、対面とどのような違いがでるか。どういう方法なら気軽な雑談ができる場をつくれるか」というような興味を持っています。

ゼミ生には「以前、社会学系に行こうか、商学に行こうか迷った」という学生もいますし、一般教養の社会学が面白かった、という学生もいます。社会学をすでに学んでいる必要はありませんが、社会学や人類学が面白いと感じた人もお勧めかもしれません。

いま興味をもっている対象はなんですか?

直近で興味をもっているのは、以下の3つの領域です。「広すぎるわ」と怒られそうですが、それぞれ10年ずつくらいかけて少しずつやっていけばいいか、と気長に考えています。

  • 1)コンテンツ制作と組織、コンテンツ制作の形式化(ウェブ、雑誌、出版社など)

  • 2)身体と人と人とのコミュニケーションの言語化、私たちは身体をどのように理解・把握しているのかについて(ヨガ、インプロビゼーション、システマ)

  • 3)場所と人とのコミュニケーション(建物の場所性・物質性と人の交流の在り方について)

このなかで、ここ5年間集中的に研究してきたのは1)です。「教員執筆記事」にある記事はどちらも1)に関するものです。私自身がどんなことを見て・考えてきたかはそちらの記事を読むのが一番はやいと思います。この研究もまだまだ途上なので、ずっと考えていきたいテーマです。

2)は最近でいうと伊藤亜紗さん『どもる体』が興味対象への接近の仕方としては近いです。伊藤先生はおもに障害や疾患・症状を持っている方へのインタビューから、私たちの身体把握で「ふつう」と思われていることの外にある多様性を拾い上げています(たとえば「どもり」は話せない状態と思われていますが、歌っているときはどもらない、独り言だとどもらない…など細かく見ていくと不思議に思えある「話せる」状況があります。吃音というどもりの症状をもった人が、それでも人前で話さなくてはいけないときの、それぞれの対処法の豊かさには目を見張るものがあります。興味があったら一読を)。私自身は障害の有無ではなく、ある体系だった身体運動を教える/教わるというところにフォーカスして、身体を介した人と人とのコミュニケーションの不思議を紐解いてみたいと思っています。思えば「おなかが痛い」といった簡単なことでも、私たちはその痛みを過去の自分の経験と照らし合わせて他者の痛みを想像することしかできません。「痛そう」と思うことはできても、同じように痛むことはできません。それなのに、「意識したこともない身体内部の一部をどう動かすか」について伝えたり、それ習得できたり、「身体をリラックスさせる」という抽象的なことについても私たちはレベル感の違いこそあれ、なんとなく理解したり伝えたりしています。これは何だろう、というのが原初的な驚きでもあり、問いでもあります。10年くらい不真面目に気にしているテーマですが、かたちになるか、まだわかりません。でも、面白そうでしょう?

モットーを掲げているゼミもありますが、そのようなものはありますか?

ゼミとして大切にする言葉になるかはわかりませんが、個人的に共感し、大事だなと思っている言葉があります。

 

「好きなことをやって生きる」というのは、欲望のままに生きることではない。好きなことと社会との接点を探し続ける、長く苦しい道のりことを言う。#最近またこの言葉を送りたくなる人に出会いましたhttps://twitter.com/Yam_eye/status/1041609777808236544?s=20

 

これはSUICAの改札などを設計したデザイナーで、現在は東京大学の教授でもある山中俊治さんの言葉です。自分の興味を深堀していく、追究していくことは、ややもすると自由で気ままだと勘違いされますが、実は「それ何の意味があるの?」「おもしろいの?」という他の人からの問いかけに対して、納得されるように色々な仕方で応え続けなくてはいけない、けもの道でもあります。そういう「楽しいけどつらい、つらいけどおもしろい」道を楽しめる人が来てくれたらいいなと思っています。

​もうひとつ、数年間ゼミをやってみて、方針のほうなものはあった方がいいかなと思い、次のようなものをつくりました。

​ゼミの方針

書かれたものを正確に読むこと、読んだものをもとに考えること、考えたことを言葉にすることを重視します。

みんなが安心した環境で、ともに学べる状況をつくりたいと思っています。

個々人には特性があります。無理をしないこと、自分が力を発揮できる様な方法を見つけることが大事です。

とはいえ孤独にではなく他者と一緒にやれるやり方を身につけていきましょう。

頑張りと無理、怠惰と工夫を自分なりに区別できるようになることが、自由と自律への一歩です。

率直にいうと、陰キャですか陽キャですか?

どちらかで答えないといけないとすると、陰キャですね。人文社会科学系研究者のなかでは社交的な方だと思いますが、産業社会を含めて考えると、静かに読んだり考えたりするのが好きなタイプです。とはいえ外に出かけて行って企業でのフィールドワークやインタビューもするので、一般的に言って人が好きですし、人と話をするのも好きです。 

吉岡乾さんというパキスタン・インドの山奥にフィールドワークに行って文字のない言語を収集して研究している言語学者の方がいるのですが、『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』という一般向けの本を書かれていて、それにとても共感しています(私の場合フィールドは好きなのですが、めちゃくちゃ緊張するので、行きたいけど行きたくない…みたいな気持ちによくなります)。ちなみに、この本はすごく面白いです。書き言葉のない言語について、現地の人々から昔話などを聞きながら、そこから推測をして語学学習をされている様子はどこかSF(サイエンス・フィクション)のような、別の国に漂流してしまった冒険者のようなストーリー性と、緻密な言語学的裏打ちによる分析という学問性が両立しています。

飲み会や合宿などゼミでのイベントはどれくらいあるでしょうか?

教員が主導的に行うのは授業内の企画のみです。そのため、飲み会の参加が必須ということはありません。

基本的に合宿や懇親会などのイベントは学生が主導になって、提案および企画がされれば行われます。現状は新型コロナウィルスの影響もありますので開催が厳しい場合も多いですが、学生間の親睦を兼ねた会は、ぜひ積極的に企画してください。

ゲスト講師を呼んだりすることはあるでしょうし、それこそ体験しないと分からないコンテンツやサービスは沢山あるので、集まることに問題がなくなったら、様々なものをゼミ生で体験しに行くという機会は持ちたいなと思っています。世の中にはおもしろいこと、ぶっとんでいる人は山のようにいるので、ものごとを突き詰めている人たちに叡智を分けてもらいに行きましょう。2021年は、スタジオジブリのドキュメンタリー映画『夢と狂気の王国』を分析的に観るワークや、高畑勲の企画展が福岡市立美術館で開催されたので、「制作者の考えや実践を追う」実習なども行いました。

以上は想像上のQ&Aですが、以下では、みなさんからのQ&Aの代表的なものに答えています。

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みなさんからのQ&A

よくある質問を掲載しています

Seminar: よくある質問

ゼミの男女構成比は? 経営学科以外でもOKですか?

ゼミの現在の名簿上の男女比は約2:1です。学年によってばらつきがあります。経営学科以外からも募集しています。

また、「ゼミの男女比はどうあるべきだとおもいますか?」という質問には、以下のようにお答えすることにしています。

 

私はこの質問で男女の二分を前提にした質問に、以前そのまま答えてしまっていたなと気がつきました。ジェンダーもセクシャリティも二分できません。名簿上で登録されている性別とは異なる自認をしている人もいるかもしれませんし、それを教員に明かす必要もありません。また、選考では名前を伏せて選考しますので、名簿上の性別は選考にあたって考慮要素にはなりません。

先生の専攻である社会学を学んだことがないですが、大丈夫ですか?

問題ないです。ただ皆さんが自分の研究を進めていくなかで、私のフィードバックやアドバイスが社会学や社会学ベースの組織論に寄っていくことにはなりますので、興味の持ち方や、議論の仕方が自分がやっていきたいことに合っているかは確認してください。大体は教員の書いているものを面白いと思えるか、興味があるかで判別できると思います。「教員執筆記事」というところに記事リンクを載せてますので、参考にしてください。

求める人材はなんですか?

教員がゼミ生に「人材として何かを求められる」という考え方自体、私は受け入れがたいというか、そういう風には考えたことはないです。ゼミは企業とは違うと思っています。それはさておき、気になっていらっしゃることにお答えします。
このゼミでは教員が学生の研究内容を決めたりしないですし、なにかを強く勧めたりはしないので、自分で熱中できるものや、考えたいと思う違和感、引っ掛かりを持っている人の方がいいと思います。「自分でけもの道を歩くんだ」という気概がある人は、楽しいゼミ生活が待っていると思います。

ゼミの最終目標はなんでしょうか?

「最終目標」ですか。考えたことがないですね。学部ゼミの目標って何なんでしょうね。みなさんは、何だと思いますか。

もし明文化された目的が必要な場合は、ゼミ生みんなで考えたらいいと思います。教員としては皆さんが卒業するときに「これからも色んなことがあるだろうけど、なんか大丈夫な気がする」と思えていたら最高ですね。

これは(学部のゼミとしては)「学術的な問いを立てて、それに対して答えられること」と答えるべきだったのかな?、と後から気がつきましたが、それは最低条件かつ誰でも言うであろうことなので割愛します。大事なのは生きるのがラクになることだと思っています。

考えたり、分析したり、まだ言葉になっていないことを言葉にすること——それはつまり研究することであり、ゼミでやっていくことでもあるのですが——それは確実に自分やその周りの人が生きるのをラクにしてくれます。すくなくとも私はそうやって学問に助けられて生きてきました。

成績表提出することになっていますが、どれくらい評価対象に入りますか?

単位数や成績の優劣を見ているわけではなく、どちらかというと単位選択の興味と傾向性を見ています。もし全然単位を取っていない人がいたら、ゼミ面談の時に、「その間どうしていたのか聞こうかな」など、そういう学生理解の一助として使います。

人脈が広いので企業の人を紹介してくれるかも、と他の先生に聞きました。

企業にいた時期もありましたし、出版社、制作者、アーティスト、コンサルタントなどの方々とのつながりは多いほうだと思います。あと出身学部からすると国際機関や国際支援に携わっている人も多いかもしれません。ですが、誰かを紹介するときにはいつも、「紹介される人にとっても、いい出会いになるだろうか。その人はうれしいだろうか」ということを考えるので、必ず紹介できるということはないと思います。質問やインタビューなど、調査させていただくにしても準備が必要ですし、その人に時間を割いてもらうことにもなりますので、無条件には紹介できないですね。
ただ、なにか研究したい問いがあって、それに必然性があって、聞かれる人もうれしいだろうなと思えたら、紹介すると思います。ゼミだったら、その方法を一緒に考えようかとも思います。ただ単に企業の人に会いたいとか、有名人に会いたいというモチベーションだったら、難しいと思ってください。ゼミ自体に、講師として色んな方をお呼びしたいな、とは思ってます。(みなさんぜひ遊びにきてください!とこのページ読んでいそうな友人・知人に念を送っておきます)

趣味はなんですか?

変わっているとよく言われますが、システマというロシア格闘技と、現代短歌です。
システマはヨガの延長線上だと思ってやっています。あ、ちなみシステマの前はヨガをやっていて、ヨガ講師の資格をもっています。ヨガってリラックスやストレッチ、身体健康法の一種だと思われていますよね。なので、そういう感じでシステマも捉えています。ピーマンズスタンダードさんの「痛くない」で有名になりましたが、身体の緊張とリラックスをうまく使い分ける武術です。緊張したまま押されるとすぐ倒れてしまいますが、リラックスしているとうまく受け流したり、なんとなれば相手の体勢を崩すことすらできる。人とのコミュニケーションもそうだな…と思ってその類似性がすごく勉強になっています。
現代短歌はつくることはせずに、人がつくったのを楽しむばかりです。福岡には日本に誇る、短歌に強い出版社・書肆侃侃房さんがあるので、福岡に着任するのをとても楽しみに思っていました。
あとは本もマンガも結構読みます。音楽もアートも好きです。

好きな作家は誰ですか?(文学で)

めちゃくちゃ答えるのが難しい質問ですが(沢山いるし、一冊しか読んでいないけど大好きな作品があったりするので)、研究的な要素を抜かして、学部生向けに答えるのであれば文学は梨木香歩、川上弘美、川上未映子、池澤夏樹、サン・テグジュペリ、芥川龍之介。SF/児童文学ならアーシュラ・ル・クヴィン、テッド・チャン、J.R.R.トールキン、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ。随筆なら須賀敦子。批評家なら斎藤美奈子。詩人なら萩原朔太郎、中原中也、最果タヒ。歌人なら東直子、穂村弘、平岡直子、瀬戸夏子。詩人および訳者として尊敬するのは堀口大学、上田敏です。ここに書いていない人でも好きな作家は沢山いるので、自分と趣味が合うのか知りたい方は「●●は読んでますか?」などなど直接聞いてください。

おすすめのマンガは何ですか?

オールタイムベストは、『風の谷のナウシカ』です。
連載中のものは『映像研には手をだすな!』。文学に近いマンガでは『違国日記』です。
とある相談会では「少年漫画で」ということだったので、『鬼滅の刃』と答えましたが、これはちょっと研究寄りの興味かもしれません。少年漫画でいうと、『レベルE』(『ハンター×ハンター』を描いている冨樫義博の短編)です。基本的に少年漫画はジャンプで育ちました。その他、売れているものはそこそこ読んでいるのではと思いますが、最近は新しいポピュラーな漫画に追いつけているかというと若干怪しくなってきています。面白いものがあったら教えてください。

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教員執筆記事

ゼミ応募の際に、私自身がどのような研究をしてきたか、どういうことに興味をもっているかについて知りたい方は、下のふたつの記事を読んでもらうと分かりやすいと思います。

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株式会社ほぼ日という、ウェブ記事やオリジナル商品の開発・販売をしているコンテンツ企業に1年弱フィールドワークをして書いたエスノグラフィーです。エスノグラフィー(民族誌)というのはもともと、その社会に暮らす人たちの様子を、なるべくその社会の言葉や習慣に沿って理解し、書き記したもので人類学の手法です。当初は太平洋の島々など違う国へ出かけて行って、その土地の人びとの言語を習得した上で、伝統や習慣を書き記すものでしたが、近年は同じ国のなかでの集団も対象に入れられるようになり、企業研究にも使われるようになってきました。ここではマックス・ウェーバーなど社会学の古典的な組織研究を下敷きにしつつ、「ほぼ日」という会社がなぜ組織として興味深い存在なのかを紐解いています。

(※一番下にある記事から上に向かって読むと順番に読めます。普通の記事とは並び順が逆なので注意してください。)

ベストセラーとなった『ティール組織』の書評です。ビジネスの分野では新しい言葉や流行が次々に生まれますが、言葉の新しさや本が売れたかどうかと、それが本質的な変化なのかや現場に実際に役に立ったのかの間には常に溝があると私は考えています。次々に宣伝される「新しい●●!」に踊らされないためには、体系的に学び古典を読むことがとても大事になります。そういう実践のひとつとして書きました。ちなみに、書評に書いてある通り『ティール組織』に具体例は興味深いものが多く、なかでもオランダの訪問看護の在宅ケア組織であるビューレゾルフの事例は驚嘆しながら読みました。

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