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​ヒグチゼミについて

おおまかなゼミの紹介です。面談やゼミ選択の際にぜひ読んで参考にしてください。

みなさんからのQ&A

以前実際にあった、ゼミに関する質問や問い合わせに対して、お答えします。

教員執筆記事

ゼミ応募の際に、私自身がどのような研究をしてきたか、どういうことに興味をもっているかについて知りたい方は、リンク先の2つの記事を読んでみてください。

Seminar: 最新情報

ヒグチゼミについて

想像上のQ&Aです。

Seminar: よくある質問

どんなゼミですか?

組織論を主な領域として、方法としてはインタビューやフィールドワークなどの質的調査を軸に学ぶゼミです。

多くの人と一緒に自分に合った場所で、いきいきと楽しく働いて、そして成果を出したいと思うのは古今東西どこの組織でも願われることのひとつかなと思います(みなさんの、ゼミ選びも多かれ少なかれそうしたものでしょう)。それと同時に、それには唯一の正答はないというのもまた事実です。様々に起こりうる問題に対して、どのように光を当てて考えていけばいいのか、組織論はその一助になると私は思っています。

また、卒業論文を書くにあたっては「学生自らが自分でテーマを設定して、それを探究していく」のを支援するゼミです。そしてなによりも、自分の関心や問題意識をどのように深めていけば、問うに値するものに変換していけるのか……言い換えれば、自己の気づきや違和感から出発しつつも、それをどのように他者に受け入れうる形式に変えることができるか、を考えていきます。

そうした道筋は、今後みなさんが企業に就職するにしろ、研究を続けるにしろ、NPOや地方自治体など非営利部門に行くにしろ必要になってくる力です。そして、なによりも世の中の多勢に流されすぎずに、自分(たち)がありたい在り方を、他者と議論しながら模索していく源になると思っています。

ゼミナールってそもそもなんですか?

大学におけるゼミナールという語の語源はラテン語のseminarium(苗床)から来ているそうです。日本語ではゼミナールは「演習」などと訳されたりしますが、「苗床(なえどこ)」という言葉はいいなぁ、と思いました。私自身はゼミナールという場が、学生ひとりひとりが持っている疑問や知りたいと思うことを持ち寄って、のびのびと追究していく場であったらいいなと思っています。その意味で、ゼミナールは学生のそれぞれが持っている好奇心の芽を育てる苗床にしていきたいです。

実際には、それぞれが調べたことをゼミナールで共有し、疑問や研究の問い(研究は「なにを問うべきか」自体を探していくのにほとんどの時間を使います)を議論をして、深めていくことになると思います。また深く考えるために古典を読むことと、自分の考えを言葉にするということのふたつを大事にしたいと思っています。


2年生は『情報生産者になる』(上野千鶴子)、『対話型ファシリテーションの手ほどき』(中田富一)を読みました。3年生では『経営組織論』(高尾義明)、『社会調査の考え方』(佐藤郁哉)を読みつつ、各自で興味のある論文を毎週1本探して発表してもらう予定です。

それと同時に、ゼミナールは最終的に4年生で卒論を書くために様々な能力や知識を身につけて、準備をしていく場だと私は思っています。他の講義などで知った知識も含めて、今度はそれを自分たちで使えるようにする場でもあります。そのために、本や資料や論文をたくさん読み、毎回考え、自分なりの視点を文章にして書いていくような試みをしています。

もしかしたら専門的な訓練には見えないかもしれませんが、著名なデザイナーでも「横線をいかに均等な間隔で複数引けるのか」という非常に地味な訓練を日々行っています。それと同じように、論理的に考える、それを日本語で正確に書く、書かれたものを正確に読み、新しい文脈を見つけるといったことは訓練しないと身につきません。私のゼミはテーマはそれぞれに自由な分、みんなで一緒にそうした地味で、かつ重要な練習をやる場でもあると思っています。

ゼミの一員としての教員がいるとして、その人はどんな人でしょうか?

商学部の他の先生方と比べたときの最も大きな違いは、私自身が経営学や商学ではなく、社会学部出身だということだと思います。そのため、私自身の問いの立て方や考え方は、「どうやったら売上が上がるか」「他社より競争優位に立つためにはどうするか」といった経営学で問われやすいものとは違うところに軸足があります。たとえば、「なぜ会社ごとにジャーゴン(その組織にしか通じない内部用語)や口癖があるのだろうか。それはどういう風に人びとが一緒に働くのを助けたり、阻害したりするのだろうか」といった人と人との間、あるいはモノと人との間のコミュニケーションにまつわる問題に興味をもつことが多いです。

ゼミ生には「以前、社会学系に行こうか、商学に行こうか迷った」という学生もいますし、一般教養の社会学が面白かった、という学生もいます。社会学をすでに学んでいる必要はありませんが、社会学や人類学が面白いと感じた人もお勧めかもしれません。

モットーを掲げているゼミもありますが、そのようなものはありますか?

ゼミとして大切にする言葉になるかはわかりませんが、個人的に共感し、大事だなと思っている言葉があります。

 

「好きなことをやって生きる」というのは、欲望のままに生きることではない。好きなことと社会との接点を探し続ける、長く苦しい道のりことを言う。#最近またこの言葉を送りたくなる人に出会いましたhttps://twitter.com/Yam_eye/status/1041609777808236544?s=20

 

これはSUICAの改札などを設計したデザイナーで、現在は東京大学の教授でもある山中俊治さんの言葉です。自分の興味を深堀していく、追究していくことは、ややもすると自由で気ままだと勘違いされますが、実は「それ何の意味があるの?」「おもしろいの?」という他の人からの問いかけに対して、納得されるように色々な仕方で応え続けなくてはいけない、けもの道でもあります。そういう「楽しいけどつらい、つらいけどおもしろい」道を楽しめる人が来てくれたらいいなと思っています。

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みなさんからのQ&A

よくある質問を掲載しています

ゼミの男女構成比は? 経営学科以外でもOKですか?

学年によってばらつきがあります。全体でみると、男女半々から男性がやや多めの間といった具合です。これは選抜の結果そうなるのではなく、応募にばらつきがあるからです。選考では名前を伏せて選考しますので、選考にあたって性別は考慮要素にはなりません。経営学科以外からも募集しています。

また、「ゼミの男女比はどうあるべきだとおもいますか?」という質問には、以下のようにお答えすることにしています。

 

私はこの質問で男女の二分を前提にした質問に、以前そのまま答えてしまっていたなと気がつきました。ジェンダーは単純には二分できません。日頃振る舞っているジェンダーとは異なる自認をしている人もいるかもしれませんし、それを教員に明かす必要もありません。

先生の専攻である社会学を学んだことがないですが、大丈夫ですか?

問題ないです。ただ皆さんが自分の研究を進めていくなかで、私のフィードバックやアドバイスが社会学や社会学ベースの組織論に寄っていくことにはなりますので、興味の持ち方や、議論の仕方が自分がやっていきたいことに合っているかは確認してください。大体は教員の書いているものを面白いと思えるか、興味があるかで判別できると思います。「教員執筆記事」というところに記事リンクを載せてますので、参考にしてください。

「こういう人がゼミに向いている」という学生像はありますか?

このゼミでは教員が学生の研究内容を決めたりしないですし、なにかを強く勧めたりはしないので、自分で熱中できるものや、考えたいと思う違和感、引っ掛かりを持っている人の方がいいと思います。「自分でけもの道を歩くんだ」という気概がある人は、楽しいゼミ生活が待っていると思います。

成績表提出することになっていますが、どれくらい評価対象に入りますか?

単位数や成績の優劣を見ているわけではなく、どちらかというと単位選択の興味と傾向性を見ています。もし全然単位を取っていない人がいたら、ゼミ面談の時に、「その間どうしていたのか聞こうかな」など、そういう学生理解の一助として使います。

人脈が広いので企業の人を紹介してくれるかも、と他の先生に聞きました。

企業にいた時期もありましたし、出版社、制作者、アーティスト、コンサルタントなどの方々とのつながりは多いほうだと思います。あと出身学部からすると国際機関や国際支援に携わっている人も多いかもしれません。ですが、誰かを紹介するときにはいつも、「紹介される人にとっても、いい出会いになるだろうか。その人はうれしいだろうか」ということを考えるので、必ず紹介できるということはないと思います。質問やインタビューなど、調査させていただくにしても準備が必要ですし、その人に時間を割いてもらうことにもなりますので、無条件には紹介できないですね。
ただ、なにか研究したい問いがあって、それに必然性があって、聞かれる人もうれしいだろうなと思えたら、紹介すると思います。ゼミだったら、その方法を一緒に考えようかとも思います。またゼミ自体に、講師として色んな方をお呼びしたいな、とは思ってます。

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教員執筆記事

ゼミ応募の際に、私自身がどのような研究をしてきたか、どういうことに興味をもっているかについて知りたい方は、下のふたつの記事を読んでもらうと分かりやすいと思います。

Seminar: リスト

株式会社ほぼ日という、ウェブ記事やオリジナル商品の開発・販売をしているコンテンツ企業に1年弱フィールドワークをして書いたエスノグラフィーです。エスノグラフィー(民族誌)というのはもともと、その社会に暮らす人たちの様子を、なるべくその社会の言葉や習慣に沿って理解し、書き記したもので人類学の手法です。当初は太平洋の島々など違う国へ出かけて行って、その土地の人びとの言語を習得した上で、伝統や習慣を書き記すものでしたが、近年は同じ国のなかでの集団も対象に入れられるようになり、企業研究にも使われるようになってきました。ここではマックス・ウェーバーなど社会学の古典的な組織研究を下敷きにしつつ、「ほぼ日」という会社がなぜ組織として興味深い存在なのかを紐解いています。

(※一番下にある記事から上に向かって読むと順番に読めます。普通の記事とは並び順が逆なので注意してください。)

ベストセラーとなった『ティール組織』の書評です。ビジネスの分野では新しい言葉や流行が次々に生まれますが、言葉の新しさや本が売れたかどうかと、それが本質的な変化なのかや現場に実際に役に立ったのかの間には常に溝があると私は考えています。次々に宣伝される「新しい●●!」に踊らされないためには、体系的に学び古典を読むことがとても大事になります。そういう実践のひとつとして書きました。ちなみに、書評に書いてある通り『ティール組織』に具体例は興味深いものが多く、なかでもオランダの訪問看護の在宅ケア組織であるビューレゾルフの事例は驚嘆しながら読みました。

©2025 by Ayumi Higuchi

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